人工股関節(THA) ・ 人工膝関節(TKA)では身体障害者手帳がもらえない?

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『人工関節入れたので、障害者手帳もらえるんですか?』、『区役所で身体障害者の申請を勧められたんだけど・・』という相談を最近よく受けます。

以前は人工股関節(THA)や人工膝関節(TKA)の手術を受けると、片足で4級、両足で3級となりした。ところが2014年4月から法律が改正され、人工関節を入れただけでは身体障害者手帳がもらえなくなりました。残念なことに市や区の福祉窓口の担当者も、この改正を知らずない人が少なくありません。

身体障害者手帳とは

『身体障害者福祉法』という法律に基づいて、一定の障害のある18歳以上の方に都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けることができます。

身体障害者はその障害の程度に応じて1級~7級までの等級が定められているます。障害の程度は、等級の数字が小さいほど重く、大きくなるほど障害の程度は軽くなります。

また、その等級によって、受けられるサービスなどが変わってきます。7級の等級もありますが、7級では法律上の障害者とは認定されず、身体障害者手帳は交付されません。

障害者手帳で受けられるサービス

障害者手帳により『各種税金の控除』、(医療費助成』、『公共交通機関の割引』などが受けられます。

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障害者手帳のメリット1.jpg

身体障害者福祉法の改定

2014年4月から認定される人工関節の等級が改定されました。

【2014年3月まで】

股関節・膝関節・肩関節・肘関節に人工関節等を置換している場合は一律4級
【2014年4月から】

置換術後の障害の状態(関節可動域など)を評価し、術後の経過の安定した時点での関節可動域等に応じて認定
4級、5級、7級、非該当のいずれかに認定

人工関節に置換しただけでは障害者手帳は交付されず、関節の可動域制限などの障害が残っている場合のみ、手帳が交付されます。この可動域制限などがかなり厳しい基準となっています。通常の人工関節後の患者さんでは当てはまることがほぼありません。

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*7級は障害者手帳や可能なサービスはありません

*筋力テストは、2や3はようやく下肢が動かせる程度です。

なぜ改定されたのか

一言でいえば昔とに比べると、今では人工関節の結果が格段に良くなったからです。

30年以上前の人工股関節では、手術後に4週間はベッド上で絶対安静で入院も3か月以上かかったりしました。また術後の合併症が多かったり、10年や20年で再置換が必要になったりしました。現在は人工関節の手術をしても短期の入院ですし、歩行能力も非常に良好になりました。

手術前よりも手術後の方が痛みもなく、どんどん動けるようになったのに、手術したら身体障害者手帳をもらえるというのも、現実にそくしていないということなんでしょう。