関節痛と杖

​~正しい杖の使い方~

杖を持つのは何のため?

杖を持つのは、『転ばないため』、『痛みを抑えるため』、『関節が悪くならないため』といろいろあると。杖はふらつき転倒を予防してくれるだけでなく、下肢の関節にかかる荷重の3割程度を負担してくれるため痛みの予防や変形性関節症の悪化を予防してくれる可能性があります。ご自分に合った杖で、正しい使い方をすることが重要です

杖にもいろいろ種類があります

T字杖

もっとも多く使われているタイプです。普通に杖と言ったら、まずこれが思いつくのではないでしょうか。 手首の力が利くよう握り部分と支柱に角度がついています。握りと支柱の位置がT字やL字になっています。T字のように支柱は握り部分の中央のものは力がまっすぐにかけやすくなりますが、L字のように支柱が握りの端についているものの方が、支柱が指の間に入らないために持ちやすいです。

重さは、200グラムから500グラムで、折りたたみが可能なタイプなどがあります。

握りの形状や大きさ、重心の位置など杖にもいろいろと特徴がありますので、ぜひリハビリのスタッフなどに相談してもらうといいでしょう。

多脚杖

T字杖よりもより安定するのが多脚杖です。把手は一つですが、脚が4本(1部に3本)に別れています。着地面積が広く、安定度は高くなっています。体重をかけても倒れにくいです。立つ姿勢の悪い方や、姿勢が不安定な方などに向いています。高齢者の変形性股関節症、関節リウマチのかたに使われています。

ロフストランド杖

前腕固定型の杖です。杖の上部が握りの上まで伸びて、そこに前腕カフがついていて、腕を通して固定できます。腕の力で支えれますので握力が十分にないとき有効です。

松葉杖

普通は2本一組で使います。松葉型をした2本の支柱の上部より脇当てが、途中に握りがあります。もっとも重い荷重に耐えられる杖です。 骨折などで片足に体重がかけられない場合や足の筋力が衰えた場合も、松葉杖を使えば歩行が可能になります。

 

杖の高さのの選び方

杖の握りの高さは、適切な位置にこないと使いにくいものです。柄の長さ決めるにはいくつか方法があります。外出時に使うのでしたら、靴はいつも履いているもので測ります。

   

①身長の半分の長さから3cm足したもの

②    腕を下ろした正しい立位姿勢で、杖を体側に垂直に立て、手首の骨が出ているところが握りの位置となる長さ

③脇の腰骨の一番出っ張ったところから、足元まで垂直におろした状態の長さのもの。

杖はどちらの手で持つの?

杖は悪い脚の脚の手で持つものです。右の股関節が痛い人は左手、左の膝が悪い人は右手といったように。意外と、どちらの足が悪くても利き手で持つ人や、悪い脚と同じ手で持つと考えている方が多いです。例えば右足が悪い方が杖を使うときには、左足を前に出して、痛い方の右足が地についている時に、杖で体を少し支えたいです。左足が前に出ている時には、右手は前に出てしまっています。杖で支えるために使う手は、逆の左手となります。

杖を持っての歩き方

足に痛みがある場合は、杖を痛みのない側の手で持ちます。杖を最初に前に出して、次に痛いほうの足を前に出し、最後に良いほうの足を前に出す、これが3動作歩行といいます。

杖のゴム先は大丈夫?

杖を使っている方でも、意外と気づかないことに杖のゴム先のすり減りがあります。杖のなかで、地面につく部分はゴムでできており、すべりにくくなっています。ただし、使っていると徐々にすり減ってきて、滑りやすくなるのですり減ったら早めに交換して下さい。杖は斜めにつくため片方だけが減ります。片方だけが減った状態で斜めに杖をつくと、水に濡れたところなどでは、滑りやすくなりますので注意してください。意外に、ゴム先の片べりは、見過ごされることが多く、私の経験でもこれがもとで骨折しているようなケースもあります。使用前によく点検することが大切です。 杖やゴム先の径は製造メーカーによって違いますので、杖の購入と同時にゴム先もいくつか購入しておくこともよいかもしれません。