人工膝関節(TKA)の手術の流れ

手術は全身麻酔や下半身麻酔で行います。

手術中は、ターニケットという血圧計のようなものを太ももの根元に巻いて、出血しないようにして手術を行うことが多いです。

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皮膚切開

皮膚の切開は中央よりやや内側を縦に切開することが多いです。最近、膝をつく動作を行いやすいように、やや外側を切ることもあります。

長さは10~15㎝程度で、変形の強さや肥満の程度によっても変わってきます。

ターニケット.JPG
人工膝関節の皮膚切開.jpg

この切開の仕方には、いくつか方法があります。どの方法で切るかが、術後の痛みに非常に強くかかわってきます。それは各切開の方法(アプローチ法)によって、大腿四頭筋という太もも前面の大きな筋肉をどれだけ傷つけるかが変わるからです。                

  

緑の線:Parapatella (パラパテラ)アプローチ

手術は非常にやりやすい反面、筋肉を大きく切るので痛みが強い方法です。

青い線:Mid vastus(ミッドバスタス)アプローチ

大腿四頭筋のうち内側広筋という筋肉を筋繊維の方向に沿って切る方法です。手術の行いやすさも術後の痛みもParapatellaアプローチとSubvastusアプローチのちょうど中間位です。

赤い線:Subvastus(サブバスタス)アプローチ

内側広筋の下側の関節包を切る方法です。筋肉を切らないため術直後の痛みが少ないだけでなく、後々痛みを残すことが少ない方法です。筋肉を切らないため手術は難しく、熟練した医師が行うことが多いです。

 

私自身は通常の人工膝関節はすべてSubvastusで行っています。術後の痛みが少なく、回復が早いのが特徴です。

 

筋肉や関節包の切開

骨切り

あらかじめレントゲンなどで測定した角度に合わせて、インプラントの厚み分骨を削っていきます。この時の骨切りの角度や量を調整することでO脚だった膝が真っすぐになったり、膝がスムーズに曲げ伸ばしできるようになります。

 

 

インプラント設置

本物のインプラントを挿入します。インプラントは骨のサイズに合ったものを入れいてきます。インプラントと骨の接触面は骨セメントを入れてくる時が多いですが、骨セメントを使用せずに止めてくる時もあります。

人工膝関節のアプローチ.jpg
人工膝関節の手術.png