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1日にどれだけ歩けばいいの?

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人工関節を行った患者さんに、どれだけ歩けばいいの?と聞かれることがあります。厚生労働省が推進する「健康日本21」の中で、平成34年までにシニア男性(65歳以上)の目標歩数を7000歩、シニア女性で6000歩と定めています。健康な方の目標とはしていいと思います。ただ、人工関節を行う方のように、長年の関節痛で体力を落としている方や、もともと病気があり筋力低下のある方に、突然その歩数を提示してもできるものではありません。また、6000歩や7000歩って何分くらい歩けばいいか分かりづらいかと思います。

​現在わかっている研究結果を踏まえて、私自身の経験則ですが歩行量に関して解説します。

一般的に推奨される歩行量

1日8000歩程度歩いている人は、それ以下の活動量の人と比べて、高血圧や糖尿病の発症率が大きく下回り、病気予防につながることという報告があります。厚生労働省が推進する「健康日本21」では成人の場合、男性9,200歩で女性8,300歩を推奨しています。高齢者では 男性6,700歩、女性5,900歩  が推奨です。2017年の調査では、日本人の歩行平均はこの値まで達していません。

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歩数と歩行時間

一日の推奨する歩数はわかりましたが、ではどれくらいの時間散歩すればよいのでしょうか?

歩数と歩行時間の関係ですが、成人の場合は1000歩は10分程度の歩行、高齢者では1,300歩が15分程度の歩行と考えられています。もちろん現実では個人差が大きく一概には言えませんが。

同じ歩数や、歩行時間でもどれだけ早く歩くかで運動量は異なります。運動がどれだけ体への負荷になるかを表す指標として、運動強度「メッツ(METs)」という単位があります。消費カロリーを表すもので、何もしない安静な状態で消費されるカロリーを1メッツとし、安静時の何倍に相当するかで運動強度の目安を計るものです。

1~2メッツを低強度、3~5メッツを中強度、6メッツ以上を高強度の運動としています。多くの家事は低強度です。散歩のように少し早歩きに歩くことは中強度の運動に当たります。中強度の運動を毎日20分程度取り入れることが、健康に重要ということが分かってきています。逆に、家の中での生活だけで、ほとんど外に出ていないと歩数や歩行時間が足りないだけでなく、運動強度も低強度の活動しかしていないことになり十分とは言えません。

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体力が落ちている方へのお勧め

一般的な推奨する歩行量や運動量はよく知られていますが、すでに体力が衰えている方がこれ以上落とさないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。私が患者さんや患者さんのご家族から相談を受けたときにお勧めしている内容です。

『家にこもりがちで、外を一人で歩くのはおぼつかない場合』

座位で行うラジオ体操を毎日おこない、テーブルなどに手つけながら立ったり座ったりを10回3セットしましょう。週に1~2回程度はデイサービスなどで外に出ましょう。

『カートや杖でなんとかおひとりで外出できる』

ご自分のペースでいいので週に3回は家からでて休み休みでいいので20分程度散歩してください

大切なのはご自分の体力にみあったもので、今よりも少し運動量を増やすことです。

運動強度という考え方

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